身近なことを英語で話すには
知り合いに、日本語検定2級(N2)を持っている外国人がいます。英語で言う英検2級と同じ程度です。
日本語の母語話者である私から見ても、とても流ちょうに、そして自然な日本語を使います。所々文法のミスがあったりはしますが、カタコト、というレベルははるかに超えた日本語を使いこなすことができます。少なくとも日常的な会話をしている限りにおいて、言葉の壁を感じることはありません。
このお話を教室ですると、皆さんちょっと信じられないという表情をされます。
「だって私、英検2級持ってるけど、英語全然話せないですよ」と。
はい。そういうリアクションを待っていました。
大丈夫。本当に英検2級を持っているのならば、あなたの英語は変わります。あなたの過去は、決して無駄ではない。
そもそも日常会話であれば、英検2級程度の語学力でも十分すぎるくらいです。
もちろん、一口に「日常会話」と言っても、もちろんそのレベルは様々でしょう。科学者にとっては、超電導素材の物理的性質についての議論が日常会話かもしれませんし、音楽学者にとっては、バッハの楽曲をBWV番号で語ることが日常会話かもしれません。
執筆者にとっては・・・(以下略)
ここでは、「身近な英語を理解し、また使用することができる」レベルに限ってお話ししましょう。
身の回りで起きたことを英語で理解し、説明できる。例えば訪日外国人観光客に、東京に来たらここがおすすめ、のような会話を英語で言える。
Hi, how are you?のような会話表現を知っているだけでなく、基本的な単語と基本的な文法を駆使して、正しい文を組みたてていく。そういうレベルです。
実はこの「身近な英語を理解し、また使用することができる」レベル、英検三級の審査基準です。中学卒業レベルですね。
一般的に、これだけで英語がみるみる話せるようになる!と、英会話教材、スクールがCMなどで言う場合の英語は、このレベルの英語を指しているように思えます。
例えば以下のような文です。
“When you come to Kyoto, you should visit Ginkakuji. It is very beautiful.”
“Oh, really.”
最低限必要な文法としては、
1従属接続詞whenの使い方
2助動詞shouldの意味
でしょうか。
両方とも中学文法の範囲です。
このくらいの英語が口から出るようになれば、十分です。
それではやり方をご紹介しましょう。
基本文法の例文と和訳が書かれている中学英文法のテキストを使います。
I like to play the piano. | 私はピアノを弾くことが好きです。 | ||
I lived in Sendai when I was young. | 若いころ、仙台に住んでいました。 |
上の英語の部分を隠して、日本を見てください。口頭で、声に出して、英訳してみましょう。
わからなかったら英文を見て、何がポイントかを考えます。必要に応じて文法の参考書を調べます。
これをひたすら繰り返してゆきます。
そして、単語を置き換えて日常生活の動作を表現してみるのです。
これだけです。とってもシンプル。
ただ一つ条件があります。毎日やること。全部やること。徹底的に理解して使えるようにすること。それまでやめないことです。
さあ、準備はよろしいでしょうか?これを読み終えた今から初めてください。
まずは行動から。中身はあとからついてきます。
ではまた。